新興国への投資を考えたときによく候補としてあがるVWO(バンガードFTSEエマージングマーケッツETF)。低コストで複数の新興国株に広く分散投資できるとして人気のある海外ETFです。
先日ご紹介した書籍「低迷相場でも負けない資産運用の新セオリー」でもやはり取り上げられています。
疑い深い僕としては、このVWO、本当に新興国投資に最適なのかちょっと気になります。
というわけで、VWOについて色々調べてみました。
目次
低コストだけど国別構成比率が気になるVWO
VWOの経費率(信託報酬)はわずか0.15%(2016年5月時点)
VWOは FTSE エマージング・マーケッツ・オールキャップ中国A株トランジション・ インデックスに連動するETFで、全世界の新興国市場の大型から小型株までを含んでいます。
新興国株に投資しているにも関わらず、VWOの経費率(信託報酬)はたったの0.15%と、かなり低水準に抑えられており、コストの観点では優秀なETFと言えると思います。
VWOとよく比較される新興国株ETFに、EEM(iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット ETF)が挙げられますが、こちらの経費率は0.69%ですので、VWOがいかに低コストなのかお分かりいただけるかと思います。
VWOの国別構成比率トップは中国の29.6%(2016年5月時点)
次に、VWOの中身を見てみますと、国別構成比率のトップは中国で29.6%、2位は台湾の14.7%、続く3位はインドで13.2%となっています。
一方で先程挙げたEEMでは、トップは中国の23.32%、2位は韓国で15.53%、3位は台湾の11.69%、4位がインドの8.46%というように、韓国を除き概ね同じような順位ですが、中国の割合はVWOよりも小さくなっています。
昔はVWOも、EEMと同じくMSCI エマージング・マーケット・インデックスと連動していたので、韓国を含んでいましたが、韓国は先進国とする考え方から、韓国を外したFTSEのインデックスを採用したようです。
3割も中国株ってどうなの?
3割程度が中国株に投資されているVWOですが、中国株ってどうなんでしょうか?
2015年の7、8月の中国株暴落や近年の中国経済失速の情報を見ると、中国株を中心に据えているVWOの今後は怪しい気がしてきます。
そもそも中国ってまだ新興国なんでしょうかね?新興国というと、タイとかインドネシアとかの東南アジア諸国の方がしっくりくる気がします。まぁ中国が(これまでは)比較的安定していて入れざるを得ないのかもしれませんが。
VWOは新興国投資のメインとなれるが、それだけに頼ってはダメな気がする
今後の中国の行く末を考えると、VWOだけで新興国への分散投資を図ろうとすると、中国経済に引っ張られて思うようにパフォーマンスが上がらないような気がしています。
例えばASEANだとか中国を除くBRICS諸国だとかを中心に据えたETFも少し取り入れてバランスを取りたいところです。(ちなみに個人的にはASEANを入れたいです。今後の発展を期待してますので)
とまあ色々書きましたが、VWOが超低コストで使いやすいETFであることに変わりはなく、他に代替できるコストレベルの新興国株ETFも見当たらないので、VWOはメインとしては現状最適なのではないかと思います。
今後は、とりあえずVWOに積立投資しながら、サブとして使えそうな新興国株ETFを探していきます。